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Googleビジネスプロフィール編集:クリニック院長の最初の6手順

Googleビジネスプロフィール編集:クリニック院長の最初の6手順
公開日:2026-05-14 更新日:2026-05-14 著者:田中 伸欣 目安:30分 #Googleビジネスプロフィール#MEO#医療広告ガイドライン#クリニック集患#院長向け実装

目次

  1. なぜクリニックがGBPを編集すべきか
  2. 手順1:オーナー確認と基本情報
  3. 手順2:写真と動画で第一印象を作る
  4. 手順3:投稿・予約・自費メニュー
  5. 手順4:口コミ依頼と返信のルール
  6. 手順5:押さえるべき8つの落とし穴
  7. 手順6:1か月後を4つのKPIで測る
  8. よくある質問
  9. まとめ

この記事で分かること(要約)

Googleビジネスプロフィール(GBP)について、こんなお悩みを抱えていらっしゃる先生は少なくありません。「○○市 内科」で検索しても自院がマップに出てこない、HP制作会社に「GBPの運用は自分でやってください」と言われたまま手が止まっている、あるいは医療広告ガイドライン違反が怖くて投稿や口コミ返信に踏み込めていない──。本記事は、こうした課題を院長おひとりで30分から動かせる手順に落とし込んだ実装ガイドです。

この記事で分かる3つのこと

  1. 院長が最初にやるべき6つの手順(オーナー確認〜KPI測定)
  2. 医療広告ガイドラインに違反しない投稿・写真・口コミ運用
  3. 1か月後に効果を測る4つのKPI

読む順序のおすすめ

なお、Googleビジネスプロフィール(GBP)はホームページと同様、医療広告ガイドラインの規制対象です(厚労省、2018年6月施行)。本記事は、当社が10年以上、医療領域のWebメディアの企画・運営に携わってきた経験から、クリニック特有の運用課題に絞って解説します。

【数値根拠の注記】
本記事に記載するKPIの目安値(閲覧数の月間500〜2,000回、通話タップ率3〜8%、ルート検索率2〜5%)は、当社が運営する医療メディアおよび支援先クリニックの実測値から導いたおおよその目安です。診療科(内科/皮膚科/美容クリニック等)・地域(都市部/地方)・競合状況・運用継続期間により大きく変動するため、再現を保証するものではありません。自院の実測値を起点に判断することをお勧めします。GBPの仕様・UI・規制内容は変更されることがあるため、本記事は2026年5月時点の情報に基づき記載しています。最新情報はGoogle公式ヘルプおよび厚生労働省ページでご確認ください。

なぜクリニックがGBPを編集すべきか

GBPとは──ナレッジパネルとローカルパックの基本

Googleビジネスプロフィール(旧マイビジネス、2021年11月に改称)の編集とは、Google検索とGoogleマップ上に表示される自院の情報を、運営者自身が更新・最適化する作業のことです。診療圏の患者が自院を見つける「集患の入口」を整備します。

GBPはいわば、クリニックの「デジタル医院看板」です。物理的な看板を磨くのと同じように、デジタル上の看板も整えていく。これがMEO運用の土台になります。

GBPに登録された情報は、主に2つの場所に表示されます。

つまり、患者が自院を初めて知る瞬間の「顔」がGBPです。HPより先に見られると考えてください。

GBPで得られる3つの効果

GBPを編集することで、クリニックが得られる効果は大きく3つに整理できます。

効果内容クリニックでの意味
① 露出機会検索+マップで上位表示「○○市 内科」で診療圏の患者の目に入る
② 信頼性向上写真・口コミで比較対象に同じエリアの競合と並んだ時、自院が「選ばれる準備」を整える
③ 直接アクション電話・ルート・予約検索画面から直接行動できる導線

3つ目の「直接アクション」が、HP集患との大きな違いです。HPに到達する前に、検索画面から電話やルート検索に進めるため、患者の意思決定がスピーディに進みます

GBPは医療広告ガイドラインの規制対象

ここが他業種との大きな違いです。GBPに掲載する文言・写真・投稿・口コミ返信は、すべて医療広告ガイドラインの規制対象です(厚労省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」、2018年6月施行)。

つまり、HPと同じ規制レベルで扱う必要があります。さらに、医療広告では広告可能事項告示(厚生労働省告示第108号)で表示できる項目が限定されています。

医療広告ガイドラインで原則NGとされる7類型
① 虚偽広告/② 比較優良広告/③ 誇大広告/④ 治療効果に関する体験談/⑤ 説明不十分なビフォーアフター/⑥ 公序良俗違反/⑦ 品位を損ねる広告

規制8類型の詳細とHP/GBPでのNG→OK書き換えは、医療広告ガイドラインの全体像はこちらで解説しています。

自院の現在地セルフチェック

先生のクリニックは、いまどの段階にありますか?

段階1の先生は手順1から順番に、段階2の先生は手順3(投稿)から、段階3の先生は手順5(落とし穴)と手順6(KPI)から読み進めてください。

つまり、GBPは「集患の入口を整える+規制を守る」の2軸で運用するもの、ということです。


手順1:オーナー確認と基本情報

オーナー確認──最初のハードルを越える

GBP編集の起点はオーナー確認です。これは「このビジネスを管理する権利が自分にある」とGoogleに証明する手続きで、確認しないと一切の編集ができません。

オーナー確認の手順は次の通りです(2026年5月時点)。

  1. Googleアカウントでログイン(医院専用アカウントを作成して使うのが推奨)
  2. Google ビジネスプロフィール または Googleマップにアクセス
  3. 自院のビジネス名を検索し、「このビジネスのオーナーですか?」を選択
  4. 確認方法を選ぶ(ハガキ郵送/電話/メール/動画)
  5. 届いた確認コードを入力

医療機関の場合、所在地へのハガキ郵送(数日〜2週間程度)が標準です。一部のビジネスでは電話・メール確認、または院内とビジネス情報の一致を撮影して送る動画確認も選べる場合があります。選択できる確認方法はGoogle公式ヘルプで最新情報をご確認ください。

詳細手順はGoogle公式ヘルプ(オーナー確認)を参照してください。

既に確認済みの場合の見直し

すでにオーナー確認が済んでいる場合、見直すべきは次の3点です。

管理アカウントが制作会社のままだと、解約後にGBPを編集できなくなるリスクがあります。今のうちに自院のGoogleアカウントへ移譲しておきましょう。

NAP(名称・住所・電話番号)の統一

NAP(Name・Address・Phone)はMEOの基本中の基本です。GBP・HP・他のディレクトリサイト(caloo、Doctorsfile、エキテン等)すべてで完全に一致させる必要があります。

項目OK例NG例
名称田中内科クリニック田中内科/Tanaka Clinic/田中内科医院
住所栃木県宇都宮市大通り2-1-6 宇都宮サテライトビル6F大通り2-1-6(県名・市名なし)/2-1-6 6F-A(表記揺れ)
電話028-639-24480286-39-2448(ハイフン位置違い)/028(639)2448

一文字違うだけでGoogleは「別のビジネス」と認識し、評価が分散します。HPの「アクセス」ページ・フッター・お問い合わせフォーム、すべてのNAPを点検してください。

診療科カテゴリの選び方

GBPのビジネスカテゴリは、診療圏で表示されるキーワードを決める重要項目です。クリニック向けの主なカテゴリは次の通り:

メインカテゴリは1つ、サブカテゴリは最大9つまで設定可能です。メインカテゴリは自院の主力診療科を1つに絞り、サブカテゴリで隣接領域を補完してください。

「内科+アレルギー科」「皮膚科+美容皮膚科」のように複数診療を提供する場合、メインカテゴリは集患したい主力を選びます。サブカテゴリを増やしすぎると「専門性が薄い医院」と評価されることもあります。

自院がどんな検索クエリで見つかっているかは、クリニックのキーワード設計はじめの3手で詳しく解説しています。

営業時間・支払い方法・属性

院長が見落としがちなのが、診療時間以外の属性(Attributes)情報です。クリニック向けに重要な属性は:

これらはGBP管理画面の「情報」→「属性を編集」から設定できます。詳細はGoogle公式ヘルプ(属性)を参照してください。

特に女性医師在籍は、婦人科・小児科・皮膚科では患者の医院選びの決め手になります。属性で明示することで、患者の事前不安を解消し、来院率を高められます。

営業時間は祝日・臨時休診を都度更新することが重要です。ゴールデンウィーク・お盆・年末年始・院長学会出席日など、特別営業時間を事前に登録しておくと、患者が来院日を間違えるリスクを減らせます。

医療法人・複数院・代行者の管理者追加

医療法人で複数院ある場合、GBPでは各院ごとに別のビジネスプロフィールを作成します。「○○クリニック 本院」「○○クリニック 分院」のように区別し、それぞれにNAPと運用責任者を設定します。

1つのGoogleアカウントで複数院を管理する場合、ビジネスグループ(旧名:ロケーショングループ)を作成すると一括管理ができます。ただし運用は院ごとに個別最適化することが基本です。

事務長やHP担当者を運用代行者として追加する手順:

  1. メインオーナーがGBP管理画面にログイン
  2. 「ユーザー」→「ユーザーを追加」
  3. メールアドレスを入力
  4. 権限レベルを選択(オーナー/管理者/サイト管理者の3段階)

「管理者」権限が代行者には推奨です。プロフィール編集・投稿・口コミ返信ができますが、オーナー譲渡や削除はできません。

複数院展開時のSEO戦略の全体像は、クリニックSEO完全ガイドで解説しています。

つまり、手順1で押さえるのは「管理権限・表記統一・診療科の宣言」の3点である、ということです。ここを固めずに次の手順に進むと、後でやり直しが発生します。


手順2:写真と動画で第一印象を作る

写真の優先順位と枚数目安

GBPの写真は、患者が来院判断をする際に最も見られる要素です。テキストよりも先に視線が向かう情報なので、優先順位を決めて段階的に追加しましょう。

優先種類枚数目安
1外観(昼)1〜2枚
2受付・待合室2〜3枚
3診察室・検査室2〜3枚
4医師・スタッフ2〜3枚
5ロゴとカバー写真各1枚
6設備・医療機器1〜2枚

合計10〜15枚を目安に、数か月かけて段階的に追加していくと良いです。短期間に大量の編集を一気に行うと、Google側で一時的な確認待ち状態になることがあるため、無理のないペースが安全です。

撮影のコツは昼間の自然光です。受付・診察室は窓の光が入る時間帯(午前10時〜午後2時)に撮影すると、清潔感が伝わります。スマートフォンで十分な品質で撮れますが、暗所では三脚を使ってブレを防ぐと良いです。

クリニックの写真で特に気を付けたいのは、衛生環境の伝わり方です。診察室のシンクや消毒用アルコール、清潔な医療器具を画角に入れることで「整っている医院」という印象を与えられます。一方、医療器具の名称が読み取れる写真は、薬機法・医療広告ガイドラインに抵触する可能性があるため避けてください(例:未承認医療機器が映り込む等)。スタッフ写真は白衣の清潔感笑顔を意識すると、来院前の安心感に繋がります。

患者写真の規制ライン──限定解除4要件

ここが医療機関特有の規制です。患者の写真を掲載する場合、医療広告ガイドラインの限定解除4要件を満たす必要があります。

限定解除4要件(厚労省、医療広告ガイドライン)
1. 医療を受ける者が、自ら求める情報を得るために、能動的にアクセスする情報であること
2. 表示される情報の内容が、患者等が容易に理解できるよう、平易な表現で記載されていること
3. 自由診療等に関する情報については、通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間、回数、リスク・副作用が明記されていること
4. 自由診療等に関する情報については、薬機法による未承認医薬品・医療機器を使用する場合、その旨が明記されていること

つまり、患者の承諾書を取り、治療内容・費用・期間・リスクを併記しない限り、患者写真は掲載できません。

特にビフォーアフター写真の単独掲載は原則NGです。掲載する場合は、上記4要件を満たした上で「典型例外」「個人差あり」を明記する必要があります。

限定解除4要件の詳細とNG→OK書き換え例は医療広告ガイドラインの全体像で解説しています。

ロゴ・カバー写真・動画のサイズ仕様

GBPで設定できる画像種別と推奨サイズ(2026年5月時点):

種別推奨サイズ用途
ロゴ正方形 推奨720×720px以上プロフィール上の医院アイコン
カバー写真アスペクト比16:9(横長)プロフィール上部の大きな写真
一般写真720×720px以上受付・診察室・スタッフ写真
動画短尺(30秒程度)、軽量ファイル推奨院内ツアー・診療紹介

※サイズ仕様はGoogle側で随時変更されます。最新の推奨値はGoogle公式ヘルプ(写真の追加・編集)でご確認ください。

ロゴは医院名や紋章があれば優先、なければ清潔感のある外観写真でも代用できます。カバー写真は来院前の患者が最初に見る画像なので、外観または受付の写真が無難です。

動画は2024年以降、検索結果での表示機会が増えており、30秒程度の院内ツアー(受付→待合→診察室)を1本撮るだけで、競合との差別化になります。


手順3:投稿・予約・自費メニュー

投稿(NEWS)の頻度と内容

先生の医院では、月に何回 GBP に投稿を出していますか?「最後に更新したのは半年前」というクリニックも珍しくありません。

GBPの投稿(NEWS)は、医院の動きを患者に伝える「定期更新枠」です。いわば院内通信のデジタル版で、Googleはこの更新頻度を「動いている医院かどうか」の指標として評価しており、検索順位にも影響します。

推奨頻度は月2〜4回です。

投稿タイプ内容例推奨頻度
お知らせ臨時休診・祝日対応・院長学会出席月1〜2回
季節情報インフル予防接種開始・花粉症対応・健康診断キャンペーン季節ごと
診療紹介新規導入機器・新メニュー紹介月1回
健康コラム季節の体調管理・予防情報月1回

投稿の文字数は150〜300字が目安です。長すぎると読まれず、短すぎると情報量が足りません。写真または図解を1枚添えると視覚的に伝わりやすくなります。

クリニック特有の投稿で集患効果が高いのは、季節性のある予防医療情報です。インフルエンザ予防接種・花粉症対策・熱中症予防・健康診断キャンペーンなど、診療圏の患者が「今、知りたい」テーマに合わせた投稿は、ローカル検索からの流入を呼び込みます。一方、競合クリニックの投稿を真似たコピペ投稿はGoogleに重複コンテンツと判定される可能性があるため、自院独自の表現で書くことが重要です。

投稿で違反になる3パターン

医療広告ガイドラインに抵触しやすい投稿パターンは以下の3つです。

  1. 効果保証:「○○治療で必ず改善」「100%効果あり」 → 違反
  2. 比較優良:「地域No.1の症例数」「他院より安全」 → 違反
  3. 患者の体験談:「○○さんが治療を受けて命が救われました」 → 違反

これらは投稿だけでなく、プロフィール説明文・カバー写真の文字・口コミ返信でも同じです。

OK例への書き換え:

自費メニューを「商品」登録する運用

GBPには「商品」機能があり、自費診療メニュー(健康診断・予防接種・自費治療)を写真付きで登録できます。これは競合クリニックとの明確な差別化ポイントになります。

「商品」として登録できる項目:

ただし、自費診療を載せる場合、医療広告ガイドラインの限定解除4要件を満たす必要があります(前述)。「胃カメラ検査 ¥15,000」だけでなく、検査内容・所要時間・リスク(喉の違和感・出血等)を併記してください。

自費診療の限定解除運用は、医療広告ガイドラインの全体像はこちらで詳しく解説しています。

季節投稿テンプレ

院長が忙しい時期でも投稿を継続できるよう、季節ごとのテンプレを用意しておくと運用が楽になります。

【インフル予防接種開始(10月初旬)】
今年度のインフルエンザ予防接種を開始しました。
受付期間:10月1日〜12月20日
予約方法:お電話または受付までお声がけください。
費用:3,800円(13歳未満は2回接種、合計7,600円)
※在庫がなくなり次第終了します。
【花粉症対応(2月中旬)】
花粉症シーズンに向けて、内服薬・点鼻薬・点眼薬の処方を行っています。
診療内容:症状に応じた処方、舌下免疫療法のご相談
お薬は院内処方/院外処方の選択が可能です。
お困りの方はお早めにご相談ください。
【健康診断キャンペーン(4月/10月)】
健康診断のご予約を受付中です。
基本コース:¥8,800
詳細コース:¥15,000(オプション検査含む)
所要時間:基本コース約1時間/詳細コース約2時間
予約方法:お電話または受付までお声がけください。

これらのテンプレは医院名・価格・診療内容を入れ替えるだけで使えます。投稿が習慣化すれば、徐々に院長自身のオリジナル投稿が増えていきます。

外部予約システムとGBPの予約機能の連携

GBPには予約機能があり、Googleが認定する 予約連携プロバイダー を通じて外部予約システム(EPARKクリニックなど、GBP連携に対応した予約サービス)と連携することで、検索画面から直接予約に進む導線を作れます。

連携手順(2026年5月時点):

  1. 利用中または導入予定の予約システムがGBP連携対応かを確認
  2. 対応している場合、予約システム側でGBPのビジネスURLを登録
  3. Google側で連携が承認されると、GBPプロフィール上に「予約」ボタンが表示される

予約ボタンが表示されることで、患者の来院ハードルが下がります。電話予約は心理的負担があるため、ネット予約導線を作ることは特に若い層の集患に効果があると考えています。

なお、すべての予約システムがGBP連携に対応しているわけではありません。導入前にGoogle公式の連携プロバイダー一覧で必ず確認してください。


手順4:口コミ依頼と返信のルール

ここまでのまとめ

ここまでで、GBPの設定と運用の基本を押さえました。

次は、患者の声=口コミとどう向き合うかです。

口コミ依頼のNG文→OK文

口コミは現代の患者紹介です。先生方が大切にされている「紹介で来る患者は質が違う」という感覚と同じで、自然な口コミは集患の質を左右します。ただし、依頼の仕方を誤ると医療広告ガイドライン違反になります。

NG例(依頼文)OK例(依頼文)
「○○の治療で改善した感想を書いてください」(治療効果に紐付けた依頼)「ご来院の感想をお聞かせください」(事実のみ)
「☆5の評価をお願いします」(評価誘導)「率直なご意見をお聞かせください」(自由評価)
「口コミを書いた方に粗品をプレゼント」(金銭・物品の対価提供)(対価なしで依頼)

依頼のタイミングは会計時に口頭でが自然です。受付に「口コミでご感想をお寄せください」というカードを置いておくと、患者が後で書きやすくなります。

低評価への返信テンプレ3例

低評価がついた時、感情的に反論したり削除依頼を出すのは逆効果です。冷静かつ誠実な対応が、見ている他の患者に信頼感を与えます。

【低評価1:待ち時間が長いという指摘】
○○様、ご来院いただきありがとうございました。
お待たせしてしまったことにつきまして、心よりお詫び申し上げます。
当院では予約制を導入し、待ち時間の短縮に取り組んでおりますが、
緊急対応が入る日もあり、ご不便をおかけしております。
今後も改善に努めて参りますので、よろしくお願いいたします。
【低評価2:スタッフの対応への不満】
○○様、ご来院いただきありがとうございました。
スタッフの対応でご不快な思いをさせてしまったこと、お詫び申し上げます。
頂戴したご意見は院内で共有し、接遇研修を含めて改善に取り組んでまいります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
【低評価3:誤情報・事実と異なる内容】
○○様、ご来院いただきありがとうございました。
頂戴したご意見につきまして、ご認識と当院の対応に相違があるようでしたら、
お手数ですが医院までお電話でご連絡いただけますと幸いです。
状況を確認させていただき、丁寧にご説明差し上げます。

返信は24〜48時間以内が理想です。患者は「医院が口コミを見ている」と分かるだけで、安心感を持てます。

口コミ運用の詳細は別記事「クリニックの口コミを増やす12の方法」へ

口コミ運用は奥が深く、依頼・返信・低評価対応・KPI測定まで、もっと詳しく書きたいテーマです。詳細は別記事「クリニックの口コミを増やす12の方法|違反にならない依頼テンプレ」で、医療広告ガイドライン・景品表示法・ステマ規制法に違反しない依頼テンプレ/返信例/KPI設計まで深掘りしています。

本記事ではGBP運用の全体像の中の1ピースとして、最低限のルールを押さえる形にとどめます。


手順5:押さえるべき8つの落とし穴

ここまでの手順2〜4で扱った投稿・写真・口コミ運用を、ここでは「規制違反を避ける」観点でまとめて再点検します。

GBP特有の落とし穴は、大きく3カテゴリで8つあります。

コンテンツ系の落とし穴(写真・投稿・口コミ)

#落とし穴NG例該当条文
1効果保証コピーを投稿する「○○治療で必ず改善」「100%効果あり」医療広告ガイドライン 誇大広告
2患者写真を許諾なく掲載する治療中の患者写真を承諾書なしで投稿個人情報保護法・医療広告ガイドライン
3体験談を治療効果と紐付ける「○○さんが治療を受けて命が救われた」医療広告ガイドライン 治療効果に関する体験談

落とし穴1〜3は、すべて医療広告ガイドラインの7類型に該当します。「事実のみ伝える」「個人を特定しない」「対価なしで自然な口コミを集める」が基本ルールです。

設定系の落とし穴(カテゴリ・NAP・編集権限)

#落とし穴NG例直し方
4診療科カテゴリの誤選択保険診療と自費を混在カテゴリで設定メインカテゴリは主力1つに絞る
5NAP不一致(HPとGBPで違う)HP「田中内科クリニック」/GBP「田中内科」完全一致に修正、ディレクトリも統一
6編集できない(権限・カテゴリ・スパムフラグ)アクセス権が制作会社のまま自院のGoogleアカウントへ移譲

特に落とし穴6「編集できない」は、よくあるトラブルです。原因は3つ:

それぞれの対応:

規制・競合系の落とし穴(比較広告・Q&A)

#落とし穴NG例該当条文
7競合との比較優良広告「地域No.1の症例数」「他院より安全」医療広告ガイドライン 比較優良広告
8Q&A機能の不適切な回答放置他患者の医療相談を放置/医師でない人が回答医師法・医療広告ガイドライン

落とし穴8は、医療機関特有のクリティカルリスクです。GBPには「質問と回答」(Q&A)機能があり、患者が質問を書き込み、他の患者・医院・第三者が回答できる仕組みです。

ここで問題なのは、医療従事者でない第三者が、医療相談に答えてしまうケースです。医師法第17条には「医師でなければ、医業をなしてはならない」と定められており、無資格者が医療上の判断・アドバイスを公的な場で行うことは違法行為に該当する可能性があります(医師法違反の具体的な該当範囲は個別案件で判断されます)。

対策は、Q&Aを定期的にモニタリングし、不適切な回答が付いた場合:

  1. Googleに報告して削除依頼
  2. 医院公式回答を上書きで投稿
  3. 重要な質問には医院が先回りで回答(FAQ形式)

詳細はGoogle公式ヘルプ(Q&A)医療広告ガイドラインの全体像を参照してください。

つまり、GBP運用は「攻めの集患」と「守りの規制対応」の両輪、ということです。守りが甘いと、せっかくの集患努力が一夜にして指導対象になります。


手順6:1か月後を4つのKPIで測る

GBPを運用しても、効果を測らなければ改善のサイクルが回りません。KPIは運営の体温計──毎月測ることで医院の健康状態が見えてきます。1か月後にチェックすべきKPIは次の4つです。

KPI1:閲覧数(プロフィール表示回数)とインサイトの開き方

閲覧数は、自院のGBPプロフィールが検索結果に表示された回数です。最も基本的な指標で、認知度の目安になります。

インサイト機能の開き方(2026年5月時点):

「パフォーマンス」画面では、過去6か月分の検索回数・閲覧回数・通話・ルート検索が日別/週別/月別で確認できます。

目安:開業1年目のクリニックで月間500〜2,000回が標準ライン。地方の小規模医院で200〜500回、都市部の人気医院で3,000回超もあります。

KPI2:通話タップ数

通話タップ数は、患者がプロフィール上の電話番号をタップした回数です。電話予約・問い合わせの起点になる重要指標です。

閲覧数に対する通話タップ率は3〜8%が標準。これより低い場合は、写真や口コミ評価で「信頼性」が不足している可能性があります。

KPI3:ルート検索数

ルート検索数は、患者がGoogleマップで自院への経路を調べた回数です。来院意向の強い指標で、通話の手前にあるアクションです。

閲覧数に対するルート検索率は2〜5%が標準。診療圏の患者が「行ってみよう」と思った瞬間に発生します。

KPI4:予約・サイト遷移数

予約タップ・サイト遷移数は、患者がGBP上のサイトURLや予約ボタンをタップした回数です。HPやネット予約システムへの流入経路を表します。

外部予約システム連携をしているクリニックでは、ここから直接予約に進むため、最終的なコンバージョン指標として最も重視したい数値です。

なお、クリニックのKPIを読む際は診療時間帯との照らし合わせが重要です。通話タップは診療時間内(特に開院直後と昼休み前後)に集中する傾向があり、診療時間外の通話タップが多い場合は「営業時間情報の設定漏れ」「夜間救急対応の問い合わせ」などの可能性があります。インサイトの時間帯別データと自院の運用状況を突き合わせると、改善ポイントが見えてきます。

数値が伸びない時の3つの原因

KPIが3か月経っても伸びない場合、原因は次の3つに整理できます。

#原因確認方法対処
1プロフィール強度が低いGBP管理画面で「プロフィールの強度」ゲージを確認写真・属性・診療時間など未入力項目を埋める
2GBP検索クエリの不一致インサイトの「ユーザーが検索した語句」を確認カテゴリ・説明文・投稿に意図したKWを織り込む
3NAP不一致(手順1で詳述)GBP・HP・ディレクトリで住所・電話を再点検完全一致に統一

特に原因2「GBP検索クエリの不一致」が見落とされがちです。インサイトでは「ユーザーが検索した語句」が表示されるので、想定した検索キーワードとずれていないかを確認してください。

検索クエリの拾い方の詳細は、クリニックのキーワード設計はじめの3手で解説しています。


よくある質問

Q1. GBPの編集に事前準備は何が必要ですか?

A. 必要なのは次の3つです。①自院のGoogleアカウント(個人用ではなく医院用に1つ作るのが推奨)、②オーナー確認の完了(ハガキ郵送で5〜14日)、③NAP(名称・住所・電話番号)の確定情報。代行者を運用に加える場合は、追加で「管理者」権限の追加手続きが必要です。

Q2. GBPの編集ができないのはなぜですか?

A. 主な原因は3つです。①管理者権限がない(制作会社のアカウントのまま)、②変更承認が必要なカテゴリ・項目を編集しようとしている、③短期間の大量編集でスパムフラグが立っている。①の場合は所有権移譲を申請、②はGBPサポートに問い合わせ、③は1〜2週間放置すれば自動解除されることが多いです。

Q3. GBPで最新の情報を編集するにはどうしたらいいですか?

A. プロフィールの基本情報(営業時間・住所・電話)は管理画面の「情報」セクションから即座に編集できます。最新ニュース・キャンペーンは「投稿」機能を使い、月2〜4回の頻度で更新するのがおすすめです。詳細は手順3を参照してください。

Q4. GBPのカテゴリを編集するには?

A. 管理画面の「情報」→「カテゴリ」から変更できます。メインカテゴリは1つ、サブカテゴリは最大9つまで設定可能です。一部のカテゴリ(医療・金融など)は変更後にGoogleの審査が入り、反映まで1〜3日かかることがあります。

Q5. GBPと「MEO」「Googleマップ」「Search Console」の違いは?

A. 4つの違いを整理します。GBP=自院の情報を編集する管理ツール。MEO(Map Engine Optimization)=Googleマップでの上位表示を目指す施策全般で、GBPはその手段の1つ。Googleマップ=GBP情報が表示される地図サービス。Search Console(GSC)=Web検索(マップ以外)での自院HPの表示状況を分析するツール。GBP=マップ系、GSC=Web検索系、と覚えると整理しやすいです。

Q6. 医療法人で複数院ある場合、1アカウントで管理できますか?

A. はい、可能です。Googleアカウント1つで複数のビジネスプロフィールを管理できます。「ビジネスグループ」を作成すると一括管理がしやすくなります。ただし、運用(投稿・写真・口コミ返信)は院ごとに個別最適化することが基本です。代行者を追加する場合は、各院単位で管理者権限を付与してください。


まとめ

ここまで、GBP編集の6手順を解説しました。

これら6手順を踏んだら、次は継続運用のフェーズです。月2〜4回の投稿、口コミへの返信、KPIモニタリングを習慣化することで、診療圏で「選ばれ続けるクリニック」へと近づきます。

運用代行が必要な場合、当社のMEO運用サービスで投稿・口コミ返信・KPIレポートまで月次で対応しています。詳細はサービス紹介ページまたは無料相談フォームからお気軽にお問い合わせください。

クリニックSEO・MEO・医療広告ガイドラインの全体像を学びたい先生は、以下の関連記事もご覧ください:

MEO戦略全体の解説記事はクリニックMEO完全ガイドをご覧ください。3要素・法規制マップ・統合5戦略・診療科別優位性・成長フェーズ別運用設計まで体系化しています。


最終更新:2026-05-14
監修:田中 伸欣(集客設計士 / 株式会社SUTEKi 代表取締役)

本記事は2026年5月時点の医療広告ガイドラインおよびGoogleビジネスプロフィールの仕様に基づき作成しています。最新の規制内容は厚生労働省ページを、最新のGBP仕様はGoogle ビジネスプロフィール ヘルプをご確認ください。

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